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個人でやっているポケ☆ダンの擬人化二次創作です。
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エピソード1:嵐の海で







雷鳴轟く嵐の海で二つの声がする。
「・・・うおっ!」
「・・・だ、大丈夫か?!」
雷の激しい光が幾つも空で輝く。
まるでそれは神の怒りの様に。
「は、放しては 駄目だ!」
誰かが一生懸命に叫ぶ。
手を伸ばし相手の手を掴もうと必死になる。
「もう少し・・・なんとか がんばるんだ!」
雷の音に負けない位に力の限り叫ぶ。
しかし二人を取り巻く自然の環境がそれを許さない。
「ダ、駄目だ・・・こ このままだと・・・」
その言葉に対してもう片方が怒鳴ろうとする。
しかし、その時一際強い雷鳴が轟いた。
「うわあああああああああっ!」
叫びは激しい嵐の夜に掻き消される。
漆黒の闇を雷が引き裂き、獣の形をした岩肌を写した。





うう・・・こ、ここは・・・

・・・ここはどこだろう・・・

だ・・・駄目だ・・・
意識が・・・・・・・・・・・





建物の前にウロウロしているポケモンが一匹。
建物の形は可愛らしいプクリンの形をしている。
夕焼けの中、松明が明るく火を弾けさせている。
ウロウロしているポケモンはチコリータだった。
「うーん・・・」
悩んだ顔をしながら建物の前を行ったり来たりしている。
彼是ここで何時間悩んでいるのだろうか、地面には足跡が残っている。
「いや。こんなことしてちゃ駄目」
決意した様に顔を上げる。
「今日こそ勇気を振り絞らなくちゃ」
そう言って建物の方へ進んでいく。
そして入り口の前にあった木で出来た格子を踏む。

「ポケモン発見!!ポケモン発見!!」

急に出てきた大きな声に彼女は肩を尖らせる。
周りを見渡すが誰もいない
「誰の足型?誰の足型?」
尚も続く声に彼女は恐る恐る下を見る。
格子の奥の方はよく見えず、闇があるだけだ。
「足型はチコリータ!足型はチコリータ!」
自分の事を言われて驚き、慌てて格子から飛び退く。
「わわっ!!び びっくりしたあ~!!」
胸に手を当てて、乱れた心音を整えようとする。
まさかこんな仕掛けがあるとは思っていなかった。
予想外の事に汗が頬を伝う。
「ふう・・・」
なんとか一息ついて、その場に座り込む。
その顔がどこか悲しく悔しそうだ。

「・・・駄目。結局入る踏ん切りがつかないよ」

肩を落とし、溜め息混じりに言う。
「今日こそ・・・と思って来たんだけど・・・」
言いながらポケットから石を取り出す。
不思議な文様が描かれた石は夕日の光を浴びて、少し赤く見えた。
「この宝物を握り締めていけば勇気も出るかと思ったんだけど・・・」
石を見つめながら呟く。
指先で石を動かしても石は何も返事しない。
「ああ駄目だなあ。私ってホント臆病者だよね・・・」
空を見上げ、呆れ果てた様に言う。
どこか諦めている様な響きも持っている。
「情けないよ・・・」
石を元のポケットに仕舞い、その場を去っていく。
少しだけプクリン型の建物を一瞥したが、戻らずにそのまま海の方へと向かった。




その様子を見ていたポケモンが二匹。
「おいズバット。今の見たかよ」
「ああもちろんだぜ。ドガース」
「さっきウロウロしてた奴・・・アイツ何か持ってたよな?」
「ああ。ありゃあきっとお宝か何かだぜ」
「狙うか」
「おう」
不敵な笑みを浮かべて二匹は後を追う。
松明の木がパチンと弾けて、割れた。





夕日で染まる海岸。
クラブ達がその海に向かって泡を吐き出し始める。
海に半身を浸からせた夕日の光を泡が反射し、キラキラと虹の光沢を見せる。
なんとも幻想的な光景が目の前で繰り広げられている。
「わあ~!綺麗!」
さっきまでの落ち込みぶりは何処に行ったのか、今は目を輝かせて目の前の光景に見惚れている。
「ここは天気が良いといつもクラブ達が夕方に泡を吹くんだけど・・・」
一人言の様に呟きながら海を眺める。
泡はゆったりと上空を舞い、海はさざ波を立てる。
「夕日の海にたくさんの泡が重なって・・・ホントいつ見ても綺麗」
満足そうにそれを眺めながら、その場に座る。
足元に波が来ては退いていく。
貝殻が砂の中から顔を覗かせている。

「・・・私落ち込んだ時は決まってここに来るんだけど・・・」

誰に言うわけでもなく口を開く。
潮風が優しく頬を撫でていく。
「今日も来てみてよかった。ここに来るといつも元気が出て来る」
そう言って一通り海岸を見渡す。
そこで見慣れないものが目に入る。
「ん?・・・あれ?なんだろ?」
目を凝らし、少しずつ歩み寄っていく。
そこには一匹のポケモンが岩陰に隠れるようにいた。
「わっ!誰か倒れてる!」
驚きながらそのポケモンに走り寄り、肩を掴んで揺さぶる。
倒れている人にそれもどうかと思うが、彼女はパニクりながら揺さぶりを強くしていく。
「君どうしたの!?大丈夫!?」
(・・・何か揺れてて気持ち悪・・・ううっ・・・)
頭がガクンガクンと揺れる感覚に吐き気を覚える。
一体何が起こっているのかと薄く目を開ける。
「あっ気がついた!良かった~!」

そこには一匹のチコリータ。

肩を揺さぶっていたのはコイツかと、少し怒りを覚える。
揺らされた頭を押さえながら周りを見渡す。
(・・・こ ここは?・・・)
「動かないから心配しちゃったよ!君ここで倒れてたんだよ?」
(た、倒れてた?・・・俺が?・・・)
それで目の前の奴に起こされていたのかと納得する。
「私は砂月。よろしくね!」
笑顔で言い、手を差し出してくる。
特に何も考えずに手を差し出せば握手する形になった。
「・・・それで君は?ここらへんじゃ見かけないようだけど・・・」
そこで言われて気づく。
目の前にいるのがポケモンで自然に話していることに。
頭を打って気がおかしくなったのかと頭を抱える。

更に不思議なのは、そのポケモンが同時に人間の姿として見る事が出来ると言う事だ。

(砂月と言ったか・・・このチコリータ。女なのかよ・・・)
チコリータと同時に見える人間の姿で性別が分かった。
短い薄緑の髪に赤い目。
頭の上には一応名残なのか葉っぱが生えている。
服は和服を少しアレンジした動きやすそうな服装。
年は大体17歳くらいと見える。
(・・・なかなか俺の好みだ。体つきも悪くない)
黙り込みながら考えていたら、砂月が不安そうにこちらを眺めていた。
しょうがないので自分が人間であることを話した。
「ええ~~っ!?人間~~~っ!」
驚きながら砂月が叫ぶ。
(てか、俺を見れば一発で分かるだろうに)
呆れ果てながら見ていると砂月は遠慮がちに言ってきた。

「でも君どこから見てもヒノアラシ・・・だよ?」

言われた言葉に思考を一時停止させる。
そして自分の手を見れば短いヒノアラシの腕。
海の近くに行き、姿を映せばやはりヒノアラシになっている。
更に同時に自分の人間の姿も見えた。
赤い肩くらいまである髪に目つきの悪い赤目。
黒いコートに白いシャツと黒のズボン。
年は18歳くらいに見えた。
(ホ ホントだ・・・確かにヒノアラシになっていやがる!)
なんとも言えない自分の情けない姿に心の中で涙を流す。
これがあの・・・?
(・・・何だ?何も思い出せない・・・)
思いかけた考えが頭に浮かばない。
”あの”の続きが出てこない。

俺がどんな人間だったかを完璧に忘れている。

「・・・君なんか怪しいね。もしかして私を油断させて騙そうとかしてる?」
「おいこら!俺を勝手に不審者にするんじゃねぇ!!」
「ホントに?じゃ、名前は?名前はなんていうの?
(名前?・・・そうだ。名前は・・・)
力の限り思い出そうとする。
そこで頭に鯨の絵を思い出す。
海を優雅に偉大に泳ぐ光景を写した絵。
そうだ、俺の名前は・・・

「伊佐那だ・・・俺は伊佐那と言う名前だ」

「伊佐那って言うの・・・うん。どうやら怪しいポケモンじゃなさそう」
納得すると砂月は疑いの表情をやめ、笑顔になる。
「さっきは疑ってゴメンね・・・というのも最近悪いポケモンが増えててさ・・・」
その表情はどこか暗く、ここの状況を物語っている様だった。
どうやら俺は大変な所に来ちまったらしい。
「いきなり襲ってくるポケモンもいるし・・・何か最近物騒なの・・・」
そこで後ろの方から物凄い勢いでこちらに来る二匹のポケモン。
ドガースとズバットということが分かり、どうやらポケモンの知識については無事らしい。
しかし、その二匹が止まる様子なくこちらに来る。

砂月に注意しようかと考えていたら、二匹は砂月にダイレクトアタックをかました。

二匹のアタックに砂月は砂浜に転がる。
するとそのポケットから石が転がり落ちた。
「イタッ!」
「おっとゴメンよ」
悪気もなくドガースは謝罪の言葉を述べる。
そこらのゴロツキかと判断すれば、伊佐那は相手にするのも面倒だと思い、傍観を決め込む。
「なんなの!急に!」
「へへっ、わからないのかい?お前にからみたくてチョッカイだしてるのさ」
(口説き文句だとしたら最低だな)
そんなことを考えつつ、三匹のやり取りを眺める。
「ええっ!?そんなぁ・・・」

「それ お前のもんだろ」

「ああっ!それは!!」
見ればさっき転がった石に三匹の視線が集中している。
どうやら原因はそれらしい。
「悪いがこれは貰っておくぜ」
そう言って石を持っていこうとする。
(金じゃねぇんだ・・・ある意味無害な奴等だ)
そんなことを考えて、目の前の二匹は雑魚だとランク付けする。

「あーーーーーーっ!!

奪われた石に対して砂月が叫び声をあげる。
だったら奪い返せばいいのに、動こうとしない。
(ま、しょうがないか。素人はここで諦めるのが普通だし)
そこで微妙に自分がこの状況に手馴れていることに疑問を持つ。
どうやら自分はこの状況によく会う人物だと言う事が分かった。
ある意味、自分の記憶に対する新しい手掛りだった。
「ケッ、てっきりすぐ奪い返しに来ると思ったが・・・なんだ?動けねえのか?」
嘲笑うように言う相手に砂月は何も言い返さない。
ただ握った拳を震わせている。
「意外といくじなしなんだな。さっ、行こうぜ」
「じゃあな。弱虫君。へへっ」
二人は笑いながら急いで海岸の傍にあった洞窟に逃げた。


「・・・ああ・・・ど、どうしよう?あれ私の大切な宝物なの・・・」
肩を震わせて砂月が言う。
相当大切だったのか、悔しそうに砂浜の砂を強く抉っている。
「あれがなくなったら私は・・・」
そして意を決っしたように顔を上げる。
「こうしちゃいられない。なんとか取り返さなきゃ!君手伝ってくれる?」
その問いに伊佐那は突き放すように答える。
「断る。なんで俺がお前を助けなきゃいけない」
「うっ!?そう言われればそうだよね・・・」
「だろ?」
「でも、あれホントに大切な物なの。あれがなくなったら私は・・・」
段々と小さくなっていく言葉。
縋るように見てくる目に伊佐那は何の反応も示さない。
諦めたように砂月は言う。

「そう・・・だよね。盗られたのは私のなんだから・・・自分で・・・」

そう言って伊佐那に背を向ける砂月。
「えっと、このまままっすぐ行けばタウンがあるから・・・そこで色々聞くと良いよ」
「突き放した俺に助言か?」
「え?だって記憶ない上に人間なんでしょ?技とか・・・使い方分からないんじゃ・・・」
そこで伊佐那はハッとする。
(そうだ!俺は今ヒノアラシでこの世界何にも分からん!!)
試しに技を出そうとしてみようとするが、全く使い方が分からない。
それに上手く手足も慣れてないから動かし辛い。
いきなり焦る心が押し寄せてきた。
「タウンに行けば・・・あ、でも今あんまりいないかも・・・夕方だし・・・」
砂月の言葉がトドメとなる。

「俺も・・・行く」

「え?なに?」
「しょうがないから俺も行ってやるよ・・・女一人旅も危ないしな」
「ほ、ホント!?ありがとう!!」
苦笑いを浮かべて伊佐那は砂月と一緒に洞窟へと向かう。
(ちくしょう!俺が人助けとかありえねぇ・・・)
そんな考えも入って襲ってきたポケモン達に掻き消されていく事となった。



「だ、大丈夫?」
「悪いな、オレンの実とか使いまくって」
技の使い方が分からない伊佐那はひたすら体当たりをしていった。
そこでやっと気付いたのは自分がレベル5で体当たりと鳴き声しか覚えていないということ。
そして、ことごとく砂月に援助されて戦っていること。
「お前そんなに強いならあいつ等にも勝てるだろうに・・・」
「あいつ等?」
「さっきの雑魚二匹」
「ええ!?無理無理!!私・・・臆病だし、意気地なし・・・」
そう言って表情を暗くする砂月の額にデコピンする。
砂月は額を手で押さえながら、驚いたようにこちらを見ている。

「自分を過小評価するな。そんなんじゃ出来る物も出来なくなっちまう」

「は、はぁ・・・」
「俺という枷があってもここまで来れたんだ。自信を持て!」
「・・・ありがとう、伊佐那」
笑顔で言われた言葉に柄にもなく伊佐那は真っ赤になる。
そのまま早足で階段を探す。
「ま、待ってよ伊佐那~」
「早くしろ!!」
そして階段を見つけ、二人は洞窟の奥底に着いた。


「ね・・・ねえ!」
勇気を振り絞り、砂月が叫ぶ。
その声に二匹は振り返る。
「おやおや。誰かと思えば弱虫君じゃないか」
石を投げて遊びながら嘲笑う。
「うっ・・・ぬ・・・盗んだ物を・・・盗んだ物を返してよ!」
怖がりならも叫ぶ姿は先程より少し勇気がついたのだろう。
伊佐那はただそれを見つめている。

「あれは私にとって、とても大事な宝物なのよ!」

「ほう宝物?やっぱりあれはお宝なんだな?」
「思ったより値打ちがあるかもしれないな。どこかに売っ払えば高い値がつくかもしれない」
そして石を自分の懐に仕舞い、こちらを向いてくる。
「ケッ、余計返せなくなったぜ」
「ええ~~っ!?」
「返して欲しければ腕ずくで来るんだな!へへっ!」
余裕そうな二匹の態度に砂月は慌てる。
伊佐那は呆れ果てた声で言う

「アホだろ、あいつ等。個人的な宝物を公的な宝物と勘違いしてやがる」

相手のあまりの小物っぷりに笑いさえ込み上げてくる。
「んだとぉ、コラァ!!」
「さっき火の粉も覚えたし、ある程度技の使い方も覚えたし・・・お前らなんか怖くねぇよ」
「伊佐那・・・」
「自信を持て!お前は・・・強い!」
「う、うん!!」
砂月は頷き、戦闘体制に入る。
そしてドガース達に攻撃を仕掛け始めた。



長く続くかと思われた戦闘はあっけなく終わりを告げた。
「イテテテ・・・」
「ううっ・・・や、やられた・・・」
倒れている二人は痛みに呻きながら悔しそうに言う。
「く くそう・・・こんな奴らに負けるとはな・・・」
「ちぇ。これは返してやるよ」
そう言ってその場に石を投げ捨てる。
随分酷い扱いにキレた伊佐那は火の粉を出してもう一回二匹を焼く。
こんがりとした焼け具合に腹が減ったという思いが頭を掠めた。
「ケッ、まぐれで勝ったからって好い気にになるなよな!」
「お、覚えてろ!」
「俺は自分に得があるもの以外は忘れる主義だ」
二匹が過ぎ去っていく時に呑気に伊佐那は言う。
逃げていく二匹の背中は情けないものがあった。
砂月は石を手に取り、上に戻ろうとワープスイッチの上に乗った。



「遺跡の欠片だ!良かったぁ・・・私ホントに取り返すことが出来たんだ・・・」
嬉しそうに遺跡の欠片を撫でている。
相当大事らしく、ついた砂を取り払っている。
「これも全ては伊佐那が手伝ってくれたおかげだよ。ありがとう!伊佐那!」
そして念を押すようにもう一回笑顔で言う。
「ホントにありがとうね!」
(・・・ここまで笑顔で言われると最初見放した事について罪悪感が・・・)
伊佐那は苦笑いを浮かべながら砂月の言葉に対応する。
そこで気付いたのは自分が笑うことに慣れていないという事。
悪い笑顔なら作りやすいのだが、この様な無邪気な笑顔は作れない。

どうやら人間だった頃はろくでもない性格だったのだろう。

別に変えるつもりもない、と頭の中でそれに決着をつける。
そしていまだ嬉しそうに笑いかけてくる砂月に対して思う。
(結局助けることになったが・・・いいよな、喜んでいるみたいだし)
更に頭の中で思いを付け足す。
(感謝されて悪い気はしないな)
そう考えていると砂月はその石を目の前に持ってきた。
「さっき盗まれた物だよ。これは遺跡の欠片。私の宝物なの」
そして砂月の説明が始まった。

「私、前から昔話や伝説が大好きで・・・
そんな話を聞くたびにワクワクするの!
だって、そう思わない?
謎の遺跡や隠された財宝・・・
闇の魔境や・・・誰も行った事がない新しい大陸・・・
そんなところには黄金やお宝がザックザク!
そこには、きっとロマンがある
私いつもそんなことを考えてはワクワクしてるの
そして、ある日・・・ふとしたことで拾ったのがこの遺跡の欠片なの
いっけんガラクタにも見えるけど・・・・・・よーく見て?
ホラッ、不思議な模様が描かれてるよね?」

砂月の話を黙って聞いていた伊佐那は言われたとおりに石を見る。
確かにそこには模様が刻まれていた。
(・・・。本当だ。確かに不思議だ。こんな模様は見たことがない・・・)
「この模様にはきっと意味があるに違いないよ」
新しい物を見つけた子供のように砂月が言う。

「この欠片が伝説的な場所や秘宝への入り口になっている・・・
そんな気がしてならないの。だから 私も探検隊になって・・・
この欠片がはまる場所をいつか発見したい!
私自身でこの欠片の謎をいつか解きたい!
そう思ってさっきも探検隊に弟子入りしようとしたんだけど・・・」
そこで砂月の表情が暗くなる。

「でも・・・私意気地なしでさ・・・伊佐那は・・・これからどうするの?」
急に自分に話題を振られ、驚く。
「記憶なくしてなぜかポケモンに なっちゃったってことだけど・・・
この後どこか行くあてとかあるの?」
そう言われ伊佐那はとりあえず考え込む。
結果は明らかだ。
(・・・全く持ってない)
「・・・もし、ないなら・・・お願い。私と一緒に探検隊やってくれない?」
いきなりのお誘いに伊佐那は呆気に取られる。
頭が上手く回転しない。
「伊佐那となら探検隊をやれる気がするの。だからどうかな?ねえ、お願い!」
(探検隊ってなんだ?よく分からん上に急に頼まれてもなぁ・・・)
少し悩んだ後、伊佐那は口を開く。

「断る・・・と言いたい」

「ええ~~~っ!?・・・って?」
「いや、探検隊というのがよく分からんし、面倒そうで・・・」
「私、伊佐那と一緒なら勇気がでるし・・・それにさっきドガース達を倒した実力・・・」
(アレは実力と言うのだろうか・・・)
「あれを見て私、伊佐那は只者じゃないと思ったよ?」
(まぁ、元人間だし・・・)
「伊佐那ならきっと一流探検家になれると思ったんだよ。だからお願い。一緒に探検隊やろ?」
「ん~でもなぁ・・・」
「探検隊になったら財宝一杯自分の物になるんだよ!?」
その言葉に伊佐那の顔が変わる。

(・・・まあ確かに行くとこもねぇし・・・これからどうしていいのかも分からないしな・・・
とりあえずは この砂月と一緒にいるのがいいのかもな・・・
一緒にいる内に俺が何者なのかも分かってくるかもしれない・・・
べ、別に財宝と言う言葉に目が眩んだ訳じゃねぇぞ!
でもいいなぁ・・・金銀財宝が一杯・・・)

邪な考えを胸に秘めながら伊佐那は決意する。
砂月の方を向き、口を開く。
「分かった!俺も探検隊をやる!!」
「え?ホント!?一緒に探検隊やってくれるの?」
「あぁ!」
「やったぁ!!ありがとう!!私達絶対良いコンビになるよ!!よろしくね!」
無邪気な笑顔にまた伊佐那は苦笑いを浮かべる。
己の汚さを自覚させられる様で少し辛かった。

「まずはプクリンの所にいって弟子入りしよう」

「プクリン?弟子入り?」
「そこで一人前の探検隊になるための修行をするのよ。修行はとても大変そうだけど・・・」
「確かに・・・修行と聞くと大変そうだな」
「でも、がんばろうね!伊佐那!」
砂月の笑顔になんとか伊佐那は普通の笑みを返そうとする。
しかし上手くいかず、頬が引きつる。
そこで新たな決意を胸に灯す。
(普通の笑みが出来る様にしよう・・・)


こうして・・・砂月と伊佐那の探検隊が結成されました






あとがき
ヒノアラシ伊佐那(♂)とチコリータ砂月(♀)の珍道中の始まりです。
最初のポケモンを決める際に、王道的なピカやポッチャマだと自分がつまらないので・・・
散々悩んだ挙句に出来た2匹です。
ぶっちゃけ金銀の最初のポケモンが一番好きなんですw

ちなみに主人公は非道鬼畜ロクデナシな男です。
パートナーは天然なので、今後他のキャラが自動ツッコミと悟りを開きます。

二次創作をウェブ上でやるのは初めてなので、色々至らない所もあるかもしれません
が、お付き合いいただけると嬉しいです。


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